【副鼻腔炎】
鼻のまわりの顔面の骨には空洞があり、場所により上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞といいます。
これらの空洞の総称を副鼻腔と呼びます。
それらは鼻内副鼻腔開口部で鼻の中に通じています。 この副鼻腔の炎症を副鼻腔炎(蓄膿症)といいます。
【病態】
急性の鼻炎(風邪などで)で鼻と副鼻腔に炎症を起こすと(急性副鼻腔炎)副鼻腔粘膜から膿が排出され,
副鼻腔に膿がたまります。 膿がたまっている状態のまま放置していると,逆にその膿が副鼻腔粘膜に病的な炎症をおこし
『慢性副鼻腔炎』に移行してしまいます。 アレルギー疾患で,副鼻腔粘膜のアレルギー変化により
『慢性副鼻腔炎』になることもあります。
副鼻腔の炎症により、膿がたまった状態が続くと、それがさらに,粘膜を病的にして,さらに膿が出てくるという悪循環に陥ってしまいます。
そして鼻汁、鼻づまり、副鼻腔に一致する場所に鈍痛などが起こります。
病的粘膜が寒天のように腫れて鼻茸が鼻内にできることもあります。
【治療法】
治療法は、保存的治療として、鼻の中に薬剤(収縮剤と,麻酔剤)を噴霧、塗布し副鼻腔の鼻の中の開口部を広げますそして副鼻腔開口部の周囲の鼻水を吸引してきれいにします。
それから抗生物質の入った霧状の気体をネブライザーなどで噴霧し吸入します。
薬物治療としては, 急性期には、抗生物質、消炎剤、去痰剤、場合により抗アレルギー剤などを用います。
鼻のなかから針を刺して直接副鼻腔を洗う副鼻腔穿刺洗浄が必要な場合もあります '現在当院では行っていません)
慢性副鼻腔炎に対してマクロライド系の抗生物質の少量長期投与も最近注目を集めている治療法です。
保存的治療で軽快しない場合は手術が必要となる場合もあります。